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プレスリリースの書き方講座|初めてでもメディアに届く5つの手順

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プレスリリースの書き方講座

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プレスリリースは、広告チラシとは全くの別物です。その目的は、自社の商品やサービスを宣伝することではなく、メディア関係者に「社会に知らせる価値があるニュース」として情報提供すること。この記事では、広報の経験がない方でも、メディアに届き、記事化される可能性を高めるプレスリリースの書き方を5つの具体的な手順に沿って解説します。この手順通りに進めれば、誰でもプロの基本を押さえたリリースが書けます。

プレスリリースは広告ではない|まず捨てるべき3つの誤解

プレスリリース作成で最も重要なのは、書き始める前のマインドセットです。多くの初心者が陥るのが、広告やセールスレターと同じ感覚で書いてしまうこと。しかし、プレスリリースの最初の読者は一般消費者ではなく、日々大量の情報に目を通すメディア関係者です。彼らが求めているのは「広告」ではなく、読者や視聴者に伝える価値のある「ニュースの素材」です。

執筆を始める前に、以下の3つの誤解を捨ててください。

  1. 「すごい」「最高の」といった形容詞は不要 客観的な事実が重要です。主観的なアピールは広告と見なされ、敬遠されます。
  2. 読者は消費者ではなく「記者」である 記者が記事を書きやすいように、事実を客観的かつ簡潔に整理して提供する姿勢が求められます。
  3. 目的は「売る」ことではなく「報じてもらう」こと プレスリリース単体で売上を立てるのではなく、メディアという第三者に取り上げられることで、社会的な信頼性を獲得することがゴールです。

NG例:広告的なプレスリリース

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このような文章は、記者の目に留まることなく削除される可能性が非常に高いです。まずは「広告」の発想を捨て、「広報(パブリックリレーションズ)」の視点に立つことが第一歩です。

手順1: ネタの棚卸し|5W1Hと「物語」で情報を整理する

いきなり文章を書き始めるのは失敗のもとです。まずは、リリースに盛り込むべき情報を抜け漏れなく洗い出し、整理しましょう。情報整理の基本フレームワークは「5W1H」です。これに「将来性(How in the future)」の観点を加えることで、情報の厚みが増します。

情報整理チェックリスト

  • Who(主体): 情報の発信元はどこか(会社名、組織名、個人の氏名など)。
  • When(時期): いつに関する情報か(プレスリリースの発表日、新製品の発売予定日、イベントの開催期間など)。
  • Where(場所): 関連する場所はどこか(本社の所在地、販売チャネル、オンラインイベントのURLなど)。
  • What(対象): 何についての発表か(新しい製品やサービス、キャンペーン、研究成果、人事情報など)。
  • Why(背景): なぜそれを行うのか(開発に至った経緯、解決したい社会的な課題、事業目的など)。
  • How(方法): どのように実現するのか(具体的な仕様、サービスの提供方法、価格体系、利用条件など)。
  • How in the future(展望): 今後どのような展開や影響が考えられるか(将来のビジョン、市場へのインパクト、今後の計画など)。

さらに、事実情報だけでは記者の心は動きません。情報の背景にある「物語」の要素を洗い出すことが、他社との差別化につながります。

「物語」の要素を洗い出す3つの質問

  1. 原体験・開発秘話: なぜこの商品・サービスを始めようと思ったのか。どんな苦労や失敗があったか。
  2. 社会的意義: この取り組みは、どのような社会課題の解決に貢献するのか。
  3. 顧客の変化: この商品・サービスによって、顧客の生活や仕事は具体的にどう変わるのか。

これらの要素を箇条書きで書き出しておくだけで、後の執筆プロセスが格段にスムーズになります。

手順2: 構成の骨格作り|記者が3秒で理解する「逆ピラミッド」

多忙な記者は、リリース全体を熟読する時間はありません。冒頭の数秒で、読む価値があるかどうかを判断します。そのため、プレスリリースは「逆ピラミッド」と呼ばれる、結論を最初に書く構成が鉄則です。

基本構成は以下の3ブロックです。

  1. リード(結論・要約): 最も重要な情報を冒頭の1〜2段落に凝縮します。手順1で整理した5W1Hをここに簡潔にまとめます。
  2. ボディ(詳細・背景): リードの内容を補足する詳細情報、開発の背景にあるストーリー、社会的な意義、商品の具体的なスペック、関係者のコメントなどを記述します。
  3. ボイラープレート(組織概要): 記事の末尾に配置する、発表主体の基本情報です。会社概要、事業内容、公式サイトURL、そして必ず問い合わせ先(担当者名、電話番号、メールアドレス)を明記します。

この骨格に沿って情報を配置することで、誰が読んでも瞬時に内容を理解できる、論理的な構成になります。

手順3: 本文執筆|スペックではなく「記者が記事にしたくなる物語」を書く

骨格ができたら、いよいよ本文の執筆です。特にボディ部分では、単なる機能やスペックの羅列に終始しないよう注意が必要です。記者が記事にしたい、読者が誰かに話したくなるのは、その背景にある「物語」です。

手順1で洗い出した「物語の要素」を、具体的なエピソードを交えて記述しましょう。

フレーズ例:物語で伝える

テーマ:中小企業のバックオフィス業務を効率化するSaaS「ラクオフィス」

NG例(スペックの羅列)

「ラクオフィス」は、請求書発行機能、経費精算機能、勤怠管理機能を統合したクラウドサービスです。月額料金は〇〇円からで、ペーパーレス化を促進します。

OK例(物語と社会性を加える)

開発のきっかけは、代表の田中が前職で経理担当者の過労に直面した原体験です。「毎月深夜まで続く請求書の手作業をなくし、中小企業で働く人がもっと創造的な仕事に時間を使えるようにしたい」という想いから、3年の歳月をかけて開発しました。本サービスは、日本の労働生産性向上という社会課題にも貢献します。

客観的なデータや専門家のコメントを引用すると、物語の信頼性がさらに高まります。

手順4: タイトル作成|本文の魅力を30字に凝縮する

意外に思われるかもしれませんが、タイトルは本文を全て書き終えた後に作るのが最も効果的です。先にタイトルを決めると、その言葉に思考が縛られ、本文の魅力が十分に表現できないリスクがあります。

本文全体を見渡し、その内容を最も的確に、かつ魅力的に表現する「見出し」としてタイトルを考えます。優れたタイトルには、以下の要素が含まれています。

  • 具体性: 何についてのリリースかが一目でわかるキーワード(商品名、企業名など)を入れる。
  • 新規性: 「日本初」「業界初」や、従来との違いがわかる言葉で新しさを伝える。
  • 数字: 「売上300%増」「作業時間を大幅に削減」など、具体的な数字を入れると客観性とインパクトが増す。

タイトル作成チェックリスト

  • 32文字前後に収まっているか?
  • 最も伝えたいキーワードが含まれているか?
  • 具体的な数字は入っているか?
  • 広告的な形容詞(すごい、最高など)を使っていないか?
  • このタイトルだけでニュースの概要が伝わるか?

【AI時代】取材と文字起こしはAIに任せ、人間は「想い」の言語化に集中する

プレスリリースの質は、その元となる情報の質と深さで決まります。特に開発背景や創業者の想いといった「物語」の部分は、関係者への丁寧なヒアリング(取材)が不可欠です。

従来、この取材プロセスは、日程調整、移動、録音、そして膨大な時間のかかる文字起こしといった作業に追われがちでした。しかし、AI技術が発達した現代では、これらの定型作業はAIに任せることが可能です。

  • AIに任せるべき作業: インタビューの日程調整、音声の録音と文字起こし、文字起こしからの要約作成、事実関係を確認する質問リストの生成
  • 人間が集中すべき作業: AIが引き出した情報の断片を繋ぎ合わせ、リリース全体の核となる「メッセージ」を定義すること。どのエピソードが最も読者の心を打つか、社会に対して何を伝えたいのか、といった戦略的・感情的な判断。

AIを単なる効率化ツールとして使うだけでなく、思考を深めるための「壁打ち相手」として活用する。これにより、広報担当者は本来最も価値のある「想いの言語化」と「メッセージの編集」に集中できるようになります。

まとめ

メディアに届くプレスリリースを作成するには、単なる文章力だけでなく、戦略的な思考が求められます。今回解説した5つの手順は、そのための羅針盤です。

  • プレスリリースは広告ではなく、記者向けの情報提供資料と心得る。
  • 執筆前に5W1Hと物語の要素を洗い出し、情報を整理する。
  • 構成は結論ファーストの「逆ピラミッド」を徹底する。
  • 本文ではスペックだけでなく、開発背景や社会性といった「物語」を語る。
  • タイトルは最後に作る。具体性・新規性・数字を盛り込み32字前後にまとめる。

※記事中の例文に登場する企業名・商品名・サービス名・数値は、理解を助けるための架空の例であり、実在のものとは関係ありません。

よくある質問

プレスリリースを配信するのに最適な曜日や時間帯はありますか?

一般的に、週の半ばである火曜日から木曜日の午前中(10時〜12時頃)が狙い目とされます。週明けの月曜日は会議が多く、金曜日の午後は週末進行で記者が多忙なためです。また、世間で大きなニュースが少ない2月や8月は、新しいネタが取り上げられやすい時期と言われています。ただし、これらはあくまで目安であり、最も重要なのは内容そのものです。

プレスリリースに添付する写真や画像は、どのようなものを選べば良いですか?

写真は、リリース内容を視覚的に補完し、記者がそのまま記事に使いやすいものを選びます。文字入れや過度なデザイン加工がされた広告のような画像は避けましょう。解像度が高く、製品の利用シーンやイベントの臨場感が伝わる、明るくクリアな写真が理想です。複数のパターンを用意し、メディアが選びやすいように配慮することも重要です。

プレスリリースを送った後、電話などでフォローした方が良いのでしょうか?

必須ではありませんが、特に伝えたいメディアがある場合、丁寧なフォローは有効です。ただし、単なる到着確認の電話は相手の時間を奪うだけです。事前にその記者の過去記事や担当コーナーを読み込み、「〇〇の記事を拝見しました。先日お送りした資料が、そのテーマでお役に立てるかと存じます」のように、相手に合わせた伝え方をすることが関係構築の鍵となります。

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